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新月の館・第三別館

「新月の館」の関連サイトで、NOVEL(の一部)を置いています。最初に是非、左記より【はじめに】をお読みください。

2016年の夏(今、ということで) 

♪ 情報・連絡

 長らく更新していないので、スポンサー情報で見にくくなっていますね。
 ですので、なんか書いてみました。

 お話はぽちぽちと書いていますが、これまでのをリニュアルしたり、小冊子を作ってイベントに出したり(主に委託)していた 2015-16 でした。

 お友達サイト2つが動いていると、なんか動くんですけどね(^_^;)
 過去のお話のリクエストにも応じていますので、「新月の館blog」の方に、コメントなどくださいまし。

 今年(2016年)の夏も暑いです。。。がここ数日はすごしやすい日が続いています。
 夏休みは取れそうにありません、、、さて、執筆活動はいつから再開しようかなっと。

 「ヤマト2022」が始動すれば、「・・・2199」ももうすこし続きが書けるのかもしれません。
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【2199/徴(しるし)】・3 

◇ヤマト2199

徴 しるし・
=2=

 古代守は宇宙(うみ)へ出、そして戦い、帰還した。そのたびに仲間を失い、地球と相手との絶望的な力の差異を思い知らされながら。それでも、出来ることを、出来うる限り、と。
 古代兄弟は互いに、それぞれの場でそれぞれの務めを果たしていた。西暦2199年……その年まで。

 火星宙域での作戦に古代守の《ゆきかぜ》が、沖田十三提督と共に出撃した時、古代進は盟友・島大介と共に火星にいた。
「…《ゆきかぜ》が、未帰還?……」
絶句する古代進に、島もその後ろで立ち尽くす。現に追随艦もなく、旗艦ただ一隻の帰還。通路に出て、その壁にもたれ、だん、と拳を打ち付けた彼に島は
「古代……」と言って言葉を無くした。

 艦(ふね)は地球に帰還し、古代たちは改めて次の任務を告げられることになるという。
 沖田提督に詰め寄り、深い絶望を抱えて部屋に戻った進は、その夜、夢を見た。


 逃げ惑う人々を誘導し、硝煙の街を走る兄の姿。あちこちに絶望の炎の柱が立ち、その中を銃を持ち、艦に向けて走っていく。その姿は凛々しく、またいつも通りの優しい兄だった。
『兄さん!』
物陰に居た進が、叫ぼうにも声が出なかった。だが守は気づいて振り向いた。
『進……危ないぞ、こっちへ来るな。早く逃げろ』
そう兄が言った途端に目の前で爆発が起こり、またステルススーツに身を固めた敵がすぐ向こうに迫った。
『兄さん、危ない!』
声にはならず、重い体に焦りが走る。
ズガーン、と銃撃の音がして、兄の顔が恐ろしい勢いで歪んだ。そして、額から赤い血が筋を引く。……白いスカーフ――艇長の着ける白いスカーフが真っ赤に染まっていく。思わず駆け寄ろうとすると、片手を上げて止められる。顔には死相が現れていた。
 [進――生きろ。俺の分まで、お前自身のために、生きろ――]
守の最後の声が聞こえたような気がして、
(兄さん!!)
出ない声を振り絞って、身体で叫んだ――ところで目が覚めた。

(兄さんっ!!)
兄は宇宙に消えたのだ。沖田提督艦の盾になって……。それをどう言おうとは思わない――何故なら、自分も軍人だからだ。私情を捨てろ……だが、とても割り切れるものではなかった。

          ★  ★  ★

 古代進は、はっと起き上がると、ベッドの上で頭を抱えた。
 心臓がどきどきし、冷や汗をかいている。

 一瞬、どこにいるかわからなくなり、身体が緊張した。敵襲か? そんなわけはない。
今いるのは、宇宙戦艦ヤマトの中、眠っていたのは自室の硬いベッドの上だった。

 乗艦前。いや任官する前に、兄の死を聞かされたときに見た夢だった。同じ夢だ。
(何故、今になってこんな夢を……)

(兄さん――)

 ベッドを滑り降り、引き出しの中から赤いスカーフを取り出した。そんなものを見たからかもしれない−−−−この赤は、深く、エンジ色をして、ダークな光の中で見ると血の色にも見えた。人絹の上等なスカーフは、兄から貰ったものだ。人に貰ったものだと言い、守の大切な思い出の品としてハモニカと一緒に持ってきていた。誰に貰い、どんな思い出なのか、進は知らない。
 古代自身が身につけている官品もスカーフは白。白は有色よりも地位が高い。戦術長を拝命した際に色が変わった。いや、ヤマトの乗組員は皆、白かそれに類する色を身に付けている。
(赤なんて、ないはずなのに)
赤は、戦術班の色。血の色、太陽の色。そして、命の色だった。

 じっと手の中のそれを眺めていた古代は、そっと引き出しの中にそれを仕舞い、ハンガーにかかった自分の白いスカーフを見た。
(まだ何も成果を出せていない。白い、何ものにも染まっていない色だ)
これを血に染める日もあるのだろうか。その時、自分の命は、そして大切な人の、地球の命運は、どうなっているのだろう。
 古代は一つ軽いため息をつくと、顔を上げた。
 艦は「灯台」であるバラン星へ向かっている。そこから先、イスカンダルまでの道はまだ見えない。そして…。

 ふと見ると、傍らのデスクのボードに止めたいくつかの写真が目に入った。兄と自分……古代守の優しく凛々しい笑みと、照れたように、だが誇らしげに笑っている自分。
(兄さん……俺は、貴方の後を継げているんだろうか?)
 いつの間にか、彼は知るようになった。戦術長として、この任を担うのは、兄のはずではなかったか、と。それらしいことを聞いたこともあったが、現在の沖田は、古代の仕事ぶりに満足していることを伝えてくる。
(だが、結果を出すのが俺たちの仕事だ……)
解決は誰にも見えない。遥か銀河の彼方にしか、それは無いのだから。
しかも、時との戦いなのだ。
 「兄さん……守兄さん」
古代は声に出して言った。すると、先ほどの映像を振り切るように柔らかな守の声が聞こえるような気がした。
((おやすみ、進。お前は、立派に、この艦(ふね)の舵を取れる。立派な戦術長だ。自分を信じて、進め))
(兄さん……)

 再びベッドに滑り込んだ。
 まだ起床時間までは間がある。
 古代はゆっくりとまた、眠りに入っていった。

2015.1.29-3.30
2015.9.13 fin

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はじめに・2 

【はじめに】

 「はじめに」に2とか変ですが、ご容赦を。

2012年から更新情報掲載していませんね。発見しにくいので、カテゴリを作り直してみました。
2012年春〜2013年秋まではのちほどまとめ直したらアップします。

【contents続き】
2014.6.29〜8.1 「いっせ〜の、せ」1st season
 isseno・pre【七夕】 14/06/29
 isseno・【写真】(旧作より) 14/07/04
 isseno・02【写真】 14/07/04
 isseno・03 【kiss/キス】 14/07/11
 isseno・04 【羅針盤】 14/07/18
 isseno・05 【綿菓子】 14/07/25
 isseno・06 【夏】 14/08/01

2014.11.13〜12,6 「いっせ〜の、せ」2nd season
 ★12/6(土)『宇宙戦艦ヤマト2199・星巡る方舟』公開直前ファンイベント
 isseno・07【ながれ星/彗星】 14/11/14
 isseno・08【くちびる】 14/11/21
 isseno・09 【スキー/スキーウェア】 14/11/25(未発表)

2015.12 2199より「徴(しるし)」連載開始。2回予定

2016年もよろしくお願いします
(って2014-15はほとんど休眠していましたね)。
少しずつ動かしていこうと思います。

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【2199/徴(しるし)】・2 

◇ヤマト2199

徴 ・続き

= 1 =

 「士官候補生・古代進、参りました!」
しゅた、という音をさせるような勢いで、ピシっと敬礼をする。
その姿を目の前に見た若い士官は、新参には真似できないきれいな答礼を返し、次の瞬間には少し顔を綻ばせると、「進、よく来たな」と言った。
「はい。明日には入隊し、着任いたします」
生真面目に答え、まだ直立不動を崩さない弟。
それを見た古代守・・・駆逐艦《ゆきかぜ》艇長は、「おいおい、もう挨拶はいいから」と言って、弟の髪をくしゃくしゃとなでた。
「や……兄さん! だめだよ、ここ、防衛軍の中だよ?」
生真面目な弟は、遥か上の上官になる兄とそのカーキ色の制服を少しまぶしそうに眺め、そうして戸惑ったように体を引いた。
古代守は、ばっはは、と笑うと、「細かいこと気にするな。お前と俺が兄弟だってことには違いないんだからな」と言って、ほら、こっち来い。そう言い、肩を抱くように自分の横へ弟を引っ張る。進もさすがに素直に従って、「久しぶりだね、兄さん」と言った。

 並んで庁内を歩いた。古代守の着任しているのは連合艦隊の一部隊だから、まだ士官候補生である進が此処へ来たのは初めてだ。鈍色の空は地球の大気が汚染されていることを示しており、現在は急速に地下都市にすべての機能を移行している最中だった。訓練学校や防衛軍は地上の施設を残しながらも地下にその機能をほぼ移しており、ここは近々廃棄されることに決まっている。
 だがまだ防衛軍内には活気があり、行き交う人々は希望をもって生きていた。

 この時代の古代兄弟の年齢差分、軍人たちに求められる資質や育てられ方は、ガミラス来襲の緒戦と現在、ということもあり大きく変化していた。古代守は戦闘員としての一般的技術はすべて身に着けていたが、どちらかというと艦隊運用の専門家であり、指揮官に特化している。対して弟の進の時代になると、それぞれのスペシャリティを持ち、戦闘技術に関してはそれでやっていける技量を持たなければ上には行けない。さらに包括した指揮能力も求められた。古代進はまだ発展途上とはいえ、戦闘機操縦術・砲術および銃撃の戦闘技量の両方を兼ね備え、さらに戦術士官としての訓練を重ねているのだ。
(こいつらが俺たちの歳になった時、いったいどんな士官が出来上がるのやら--いや、それまで俺たちが守っていかなけりゃな)
守はそうも思うのである。

 「進、お前、制服、似合うな」
にこにこと弟を見つめて笑う守は、仲間たちの間でも有名な“ブラコン”である。弟大好き、弟がかわいくて仕方ない。それへの揶揄(やゆ)やからかいに対し「それが何か?」と平然と言い返すような男でもある。進の立場では普通なら、まだ身につかないぎこちなさがある時期なのだが、すっきりとプロポーションが良く、愛くるしい顔をした進には、防衛軍の制服はよく似合った。自分たちが通り過ぎてきた階級……淡いブルーのスカーフもポイントになってかわいい。まっすぐに通った目鼻立ち、くりっとした目はそのままに、だがどこか思いつめたような瞳は、自分には無いもので、弟の真面目さと知性を表しているようにも思った。
 ……と、古代守が思う一方、弟の方も兄を崇敬の目で眺めている。

 (兄さんて、やっぱ貫禄あるなぁ。何といってもこの若さで艇長だもんね。俺なんか絶対かなわない。でもだからこそ兄さんなんだから)

 誇らしくてたまらないのだ。艇長の制服に緋色のスカーフ。あれかぁ。兄さんが一番似合うよきっと、うん。
 弟にしても、“兄莫迦”であろう。

 庁内カフェで語らう2人。本来、ここまで地位が違うと同席も憚られたが、守は来週には旅立ってしまう艦(ふね)の艇長だ。「構うことはない」と言い、現に、声をかけていく知人は多かったが、皆、「お疲れさまです」「気をつけていけよ」「お、弟さんかぁ、立派な跡継ぎだな」「へぇ、進くん入隊おめでとう」とか親しく声かけたり励ましていくだけで、咎める者はいなかった。
 「へぇ……兄さんて人望あるんだねぇ」
素直に驚き、見つめてくる弟に、守は少し誇らしい気持ちになって「ま、まぁな」と笑ってみせる。……静かで幸せなひととき。

 そして兄弟がゆっくり相見えたのは、それが最後になった。

(=2= へ続く)

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【2199/徴(しるし)】・1 

◇ヤマト2199

徴 しるし・1

= prologu;e =

 兄がその学校を卒業し、正式に身分を得たことを報告と挨拶に帰宅した時、彼はその姿を見て目を丸くした。
「わぁ〜兄さん、かっこいいね!」
くりっとした目を見開き、尊敬を隠そうともしない弟に、古代守は愛しげな視線を向けながら、「そうか? かっこいいか!?」と微笑んだ。「父さん、母さん、ただいま」と言って。そのまま飛びついてきた弟の頭をくしゃくしゃと手でかき回し、肩を叩いて。「お前も元気そうだな」と言って。

 西暦2193年。謎の敵が地球に遊星爆弾の攻撃を始めた頃、古代一家の長男である古代守は、その家から独立し軍へ入る道を選んだ。明るく闊達な優等生、誰もが一目置く活動的な兄は、10歳離れた弟の進にとって眩しく、慕わしい兄だった。
 どちらかというとおとなしく、母親の後ろに隠れてしまうようなところのあった弟も、けっして暗い子だったわけではない。人に好かれ、可愛がられ、時に出来のよい注目を集める兄と自分を比べて拗ねることがあったとしても、一家は幸せで、また人々に尊敬される家族だったのだ。

 しかしあの日。
 一家の運命は変わった--ある意味で、終わった、といってもよかったかもしれない。
 部隊の配属が決まり、だが自宅へ戻る時間がなかった守は、弟に「遊びに来い、見学もさせてやるぞ」と誘った。両親からの差し入れを持って防衛軍の宿舎を訪ね、しばしの時を過ごした後、帰路の途中で彼は見た。強烈な光と、悪魔の尾を引いて落下する、凶器の岩塊を。それが父を、母を、親戚の皆や幼馴染たちを、打ち砕く様(さま)を。
 彼の故郷は一瞬で蒸発し、形が変わり、人々は気泡または塵と消えた。
 いえばそれは、“運命”の手が、古代進を、地球の守り手の一人として選び、助けたのかもしれなかった。

 そして、兄から何度か誘われていたが頑として首を縦に振らなかった弟は、兄と同じ道……いや、兄以上の修羅の道を歩むこととなる。

(続きは =1 =へ)

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[新月の館]の別館です。管理人はAyano。主に「宇宙戦艦ヤマト」に関する創作ものを置いています。本館はカテゴリリンクより。よろしければblogの方もお読みください。




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