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◇ヤマト2199

2014-07.11 03 【Kiss】

 ←7月の更新(2014) →2014-07.18 04 【羅針盤】
isseno・03 【kiss/キス/口づけ】 2014-7.11

 ★さてお題第3弾は、s-ドクターらしい乙女なお題で、「kiss」。
  よぉし! これは正面から真っ向勝負だ! (<何の?)ということで、こういう内容になりました。
  出だし数行で、オチがわかってしまう内容ですが、ほのぼの感と、それぞれのキャラ(新月解釈)の関係性など、お楽しみいただければと思います。

 ★しかし、この登場人物で、この手の話を書くとは思わなかったなー。。。私的にはRちゃんは、もっと……(むにゃむにゃ)のはずだったのに。

【Kiss~地球の休日】

 篠原一尉は、はぁ、とため息を吐くとパネルに写る地球を眺めた。第二分隊が飛び立つのが見え、その動きを見て(少しは様になってきたな)と無意識にチェックしながら。

 「し~のさん、ここにいたんだ」

 唐突に声がして、振り向かなくても誰だかわかった。
赤毛をカチューシャでまとめた明るい瞳の持ち主。
甘いマスクとチャラめの態度が初対面の人間に誤解を与えるが、実は腕は一級、
加藤隊長の信頼も篤い沢村翔である。
 「よう。どうした、こんなところに」
「そいつぁしのさんだって同じでしょう」
宙(そと)が見たくなっただけですよ、と言いながら、横に並んで空(から)の宇宙を眺めた。
愛想のない月面。光の加減が直截なので、距離感が図れず、その向こうにある火星が
近いのか遠いのかわからない。ただ、小さい。そして地平に、わずかに地球……。
 「地球(いえ)見たかったら後ろ向かないと、ですね」
ニヤりとするように沢村が言って、思っていたことを言い当てられたような気がした篠原は、
う、と言葉に詰まった。
 「なぁに考えてたか、当ててみましょうか」
沢村がこういう口調の時は、やりたいことは決まっている。
「要らん」
篠原らしくなく、短く遮ると、やはり
「しのさんらしくないですねぇ~、そういう言い方」
えへ、というような顔を見返すと、やっぱりこいつは“カワイイ”のだった。
(女泣かせなのも、仕方ないっか――)

 こう見えても沢村は、気配り抜群で、優しい。
男同士でツルんでる方が好きなようだが、おそらく付き合った子は大事にするタイプだ。
そういやこいつ、GF(カノジョ)いたっけな? 
そう考えた途端、先制された。

 「……お嬢のことでも考えてたんすか?」
 図星を刺されて、ひっと一瞬飛びのきそうになったのは事実だ。
だが、ここは後輩/下士官に弱みを見せるわけにはいかない。一瞬でふんばり、
「なぁんで俺がそんなことしなきゃいかんのよ。そういうお前こそ」
とふざけた風に返すと
「そう、なんっすよねぇ。……平和になったことですし。お嬢に、会いたいっすよね」
 え?
 と篠原は横に並ぶ少し低い背を振り返った。
沢村が、山本に、会いたい???
 だがそこで目くじらを立てたりしないのが篠原である。
「地球(機動隊)との合同(演習)とかで、会ってるじゃないの。会えば呑みにくらい行ってるしさ」
探りを入れるつもりで言ってみる。
なんだかんだ言っても、ガミラスによって壊滅に近い状態にされた地球防衛軍は、まだ再生途上だ。若輩とはいえ、ヤマトのメンバーたちは、あちこちでその中心になり、勤務はバラバラになったが、公務で会うのである。それも、頻繁に。
「そういうんじゃ、ないっす」
口をとがらせるように、珍しく素直に沢村は宇宙(そら)に背を向けた。
「――個人的に。……大事な人、同士のように、会えればいいな、って……」
「……おい、沢村!」
 大きな声は理性が出させなかったが、声が尖るのは抑制しなかった。
「……しのさんこそ。どうなってんですか? お嬢と」


 沢村(やつ)に問われて。
(こっちが聞きたいよ。“どうなってる”のかなんて)
ずり、と背から床へへたりこみたくなった、というのはナイショだ。

 沢村は冗談めかして言っているが、その声音は真剣で、
もしかすると本当に山本に惚れているのかもしれなかった。
(ちぇ――)
 ライバル多いよなぁ、とは思わない。
篠原は、その、“大切な人同士みたいにプライヴェートで会う”権利は、どうやら
認められているようだからだ。渋々なのかもしれなかったが。

 だけど、一番の強敵は、彼女自身だ。


 「ぶわっはっは!」
そう話すと、友人で上官の加藤三郎は、珍しく豪快に声を上げて笑った。
「篠。お前でもそんな悩むのか」
と言う。
「たーいちょ。お前でも、はないしょ? お前でもは」

 加藤三郎は、帰還後すぐに正式に届けを出し、一家の主に収まっている。
とはいえ、“出産を月で”というのはまだリスクがあると考えているようで、
自宅は地球にあり、平日は単身赴任。週末たびに地球へ帰宅するという生活だ。
篠原はその隊長と同行して地球へ戻ることも多い。
この日も夕食をごちそうになりがてら加藤の官舎に立ち寄っていた。
 「サブちゃん、篠原さんをからかっちゃだめよ。なかなか難しいのよね、オトシゴロって」
マセた口調でそう言う彼の妻=原田真琴は、もうすぐ母になるとはいえ、彼より年下だ。
 しかし、こと恋愛に関しては、男が女にかなうわけもない。
 はぁ……とため息。
「元気出して。……明日も会うんでしょ?」
「う、いちお。まぁ……」

 そうなのだ。地球に帰るごとに会う。
会ってはいるが……いつも誘うのはこちらから、嬉しいのかそうでないのか返事は短い。
食事したり、どこかに行ったりして、帰るだけ。基地の報告をしているだけ、のような気がする時もある。
 この間、久しぶりに生き生きとした表情で話をする、と思ったら、古代進の情報だった。
本部に帰還してたと言い、次の航海が決まったと喜んでいたと言い、木星までの哨戒勤務だ、
島と一緒なんて願い下げだったんだけどと言っていたと話してくれた。
(ちなみに島大介は操艦実績を買われて木星までのメイン航路のパイロットを務めている)

 「玲(あきら)ちゃんはまだ古代のことが好きなのかなぁ…」
ぼそりとそう言うと、加藤三郎は困ったように篠原を見た。
「--それはないと思うけどな」
 加藤三郎は思う。玲が古代に恋していたことは一度もない。
それは篠原だってわかっているじゃないか、そう言いたかった。
だが、恋かそうでないかは関係あるのだろうか? 玲が古代進に対して持っていた強い感情は、
加藤三郎も感じていたことだったから。
たとえそれが、兄の面影を彼に重ねていたとしてもだ。


 「ふうん……それで?」
「沢村が会いたがってる、って話」
地球には季節というものがあるのだ、と思い起こさせてくれる時期が来た。
春めいてきて--こういう感覚を忘れてどのくらいになろうだろう、と篠原は思う。
 地上部隊の仕事は面白いと玲は言う。だが彼女は。
「星の宇宙(うみ)が飛びたい――って時々思う。で、月の出張は
率先して行かせてもらえるみたいだから」とかすかに笑う。
 それが、(どういう意味だろう)と言外の意味をとりたくなるのは男心というものだ。
自分が思うほどに、彼女は俺を思ってくれているのだろうか?

 本部に上がったのは、古代の推薦もあったのだそうだ。
古代の彼女への評価はひどく高く、艦載機隊にとって月はもちろん要衝だったが、
本部の機能を構築することも重要課題である。
「君は頭もいい。良い上官の下にいれば、きっと力を発揮できると思う」
 加藤や兄からいったん離れてみたらどうだ……そう言った古代の言葉が胸に沁みて、
本当の意味で“独り立ち”できる道を選んだ。
 (ちくしょう――あぁ、古代は正しい。正しく戦術長様だよなぁ、戦艦下りても)
篠原は思う。しかし、相変わらず朴念仁の古代だ。――俺は、一緒に居たかったぞ。

 「どうしたの?」
どちらかというと意味なく饒舌にふるまう篠原は、ふだんはサービス精神の塊のような男である。
女の子と一緒にいる時には、退屈させないように、しかし気を遣わせないようにふるまう。
そんなところが一部で人気だ。
 だから、急に黙ってしまう、というのは、かなり不意打ち。
「あ。うん……なんでも、ございませんよ。さて、どうする? 俺、君になぁんかプレゼントしたいな、とか」
「?」きょと、とした顔になった玲。……誕生日とか何かの記念日だっけ、今日?
 あぁもう、そういう顔もカワイイ! と内心でじたばたする篠原。
以前に比べればずいぶん表情も豊かになった。相変わらず、冷めたところはそのままだが、時折、素の顔が表に出ると、そのギャップに、ますます惚れている自分を感じてしまう。
(あぁぁ! 俺としたことが、ムスメ一人、攻めあぐねてるなんて……)
頭をくしゃくしゃとかきむしりたい気分なのだ。
(だいたい、俺は偵察志望であって、遊撃隊なんだっ! 先制攻撃や突撃は不得手なんだよっ!)
加藤や山本本人みたいだったらよかったのに。
 古代だって、あぁ見えて。朴念仁のくせに、やる時は本当に一直線だった。あれぁ誰も真似できねーや。うう、俺って何てバランス感覚のヒトなんでしょう、とほほ。
 内心でいくらじたばたしていても、笑顔はにっこり、相手にその内心をつかませない。そして篠原は、それこそが、相手との距離を縮められないでいる原因でもあることに気づいていなかった。

 篠原的には、こっそりと、「出会って3年の記念」だったりする。
実際、玲が篠原を意識したのはヤマトに乗艦してからだが、篠原の方は、
“山本明生の妹”として、早くから注目していた(。成績がよかった所為もある)。
実際に会ったのは3年前--だったが。
 それに。
 (こんな季節に、かわいいワンピースの一つくらいプレゼントしたいじゃない? え~と、まだ“恋人”とかじゃないけど)

 案外に素直に服を選ばせてくれて、
「実は、助かる。あたしはこういうのあまり得意じゃなくって。いつも、真琴さんとかに相談するか、適当に着てるから」
 プレゼントする、っていうのはなかなか受け取ってくれなかったけど、言い合いの末、なんだか急に、ふっと笑って「わかった。貰う」と言った。突然だったので驚いたくらいだ。
(ま、いいか、喜んでくれるのなら)。

 薄いオレンジとベージュのツーピース。
ポイントカラーにオフホワイトが使ってあって、短い形のよい膝丈のスカートは、
玲のスラリとしたプロポーションを美しく見せる。
(へぇ……)
試着して現れた姿を見た時に、抱きしめたくなったくらい素敵だった。
 彼女はそれを見て、ぽ、と頬を染めると、ふん、という顔を作り、
「着替えてくる」とすぐに試着室に消えてしまったけど。
(……次のデートには来てきてくれるかな)
少し期待してしまう篠原なのである。

 夕刻。
この日は、加藤宅へは向かわなかった。
いくらなんでも「2日続けては……」という気分がある。
 土曜日の夜、街は賑やかだ。

 ふと。隣を歩いている女性(ひと)の姿が、消えてしまうような気がして。ぐ、と手を取り、引き寄せた。
「あ……」
とっさに避けられなかっただけでも良かった。
体術に優れた戦闘員でもある彼女は、無意識の行動を取ると
撃退されてしまったりすることがあるからだ。
笑いごとではない。身に着いた反射神経が恐ろしく高いのである。
 「どうしたの?」
そのまま腕の中に、抱えられてくれて、自分よりかなり小柄な目に見上げられた。
「――不安、で。いなくなってしまわないかと」
思わず本音が漏れた。
 好きだとか。付き合ってくれとか。……言ったような気もするが、言わなかったような気もする。なんとなく、命のやり取りを見守ってくれ、死地から生還したことを喜んでくれたあの日から――特別な絆が出来たと思ったのは、自分の錯覚ではないだろうか?
 篠原は揺れている。

 表情を変えないまま見上げていた玲が、そこからするりと抜けだして、篠原の腕をつかんだ。
「何が、不安だ?」
クールな口調。だが、真っ直ぐな、目。緋色の、瞳。
「――失うかもしれない、と思ったのは、私の方だった」
 あの時のことを言うのか? それともまた。
「玲(あきら)ちゃん――」
「“ちゃん”は、要らない。……それに、玲(れい)でいいよ」
表情は変えぬまま、初めて聴くような声音だった。
「――しのはら。私と何故、一緒にいる? あなたは私に、何を求めている? 私にはわからなくなってきた、最近」
「玲――」
「いつも、一緒にいるだろう? だけどお前は本当のことは何も言わない」
ぐっと篠原は詰まった。……そうだ。さわりのよい柔らかい言葉。優しい響き。そんなことでごまかしてこなかったか、自分?

 ぐ、と腕をつかまれ、次の瞬間、唇に何かが触れた。
痺れたような感覚があって、何が起こったのか、わからなかった。
――ふと気づくと、目の前に、少し頬を紅潮させた玲が、きらきらしたまっすぐな瞳で見ていた。
(kiss--されたのか? もしかして、俺)
 篠原は偵察隊--そして、玲は。突撃隊だ。ヤマトでも古代と共に、偵察兼コスモ・ゼロで先鋒隊として切り込む。その本領が、こんなところにも表れるのだろうか。
「――私は、言葉はうまくないけど。……そういうこと、じゃ、ないの」
玲が言葉をこぼす。恥ずかしそうに、でもきっぱりと。
 篠原は辛くなった。――はっきりしなかったのは、自分なのだ。拒否られようがなんだろうが、きちんと伝えておかなければ、わからない。だから、彼女が“消えてしまうかもしれない”などと考えてしまうのだ、と。
 篠原は、「ごめん……」と一言言うと、ぐ、と彼女をもう一度抱き寄せた。
頬を手のひらで包み、その目を見ると、「好きだよ」と言った。そのまま鼻の横に唇を寄せ、さぐるように唇へ近づいていく。相手のそれに接触すると、舌で先を割り、やんわりとそれらすべてを使って相手の感覚を刺激した。
 そしてKiss――ゆるりと、そしてだんだん激しく。
 どんなに柔らかい印象を与えるとはいっても、2人ともに戦闘員だ。その逢瀬は激しく、情熱的に続いた。
(応えてくれた――)篠原の想いはそうである。

 あ、
小さな声がしたと思うと、がくがくと腕の中に寄り掛かる小さな体。
……目が回っちゃったかな。
 それなりの経験がないわけではない篠原に比べ、玲は男嫌いかと思われていた節もある。だから、自分からkissを仕掛けるような攻撃性はあっても、慣れてはいまい。
 顔を離し、腕に抱えると、潤んだ目で見、それから恥ずかしそうに顔を伏せて逃げようとした。それをとっさにつかまえる。
「玲!」
「……ん、あの……」
「逃げなくて、いいよ。……ありがと」
「しのはら……」
「弘樹、って呼んでくんないかな。ひ・ろ・き」
「……」赤くなって顔を伏せている。
 ん? と覗き込むと、パチっと指で鼻先をはじかれた。
「いてっ!」
んふふっ、と笑い、はしゃいで飛び去る。追いかけて腕の中につかまえた。
「玲……これからも、一緒にいてくれる? 君が好きだから」
こくり、と彼女は頷いた。
「――大事に、したい男。それで、いい?」
あぁと彼は言う。
 一緒に、地球を護り、作り。未来も作っていけたら、いいな。身近に手本もあることだし。――この日は篠原弘樹・25歳にとって、最良の日になった。

【End】2014.7.08
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