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G2005-70 Timeout

timeout・5

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【タイムアウト】(1)(2)(3)(4)

(5)

 「ねぇ編集長ボス
 月夜の道を、それでも油断無く目配りはしながら、ジェームズは黒崎と並んで歩いていた。
「なんだ」
スペース・ジャーナル誌のジャーナリストだった時代から、凄い人だとは思っていたけれど。
「祐子の彼氏って、加藤大輔ですか――ガニメデ副司令の息子の」
「あぁそうさ」
「またエライ相手の恋人やってますね」「まぁな」
「古代聖樹せいじゅってのも凄い若手だそうですね」
「あぁ。父親以上になるだろうといわれている」
「ほんとですか? 長男は?」
「進本人も認めてるさ。見かけが派手だしな、長男も期待されているが、次男坊はダークホースだ」
「そうなんですか…」
ふっと笑って。「若い頃は問題児だったんだけどな」
「ほんとですか? そんなこと知ってて」
記事にすれば喜ばれるのに、と暗に。
「うちはスキャンダル誌じゃない。…それに、使命に命がけの男を茶化したりできんよ」
まぁそれはそうですが。…編集長って意外に青いですね。もっと獰猛かと。
うるさいよお前。
「俺はヒトゴトだと思えないだけさ……経営者としちゃ失格かもな」
 そんなことはないだろうとジェームズは思う。口の堅さとバランス感覚。もしかしたらこの人は、雑誌や新聞を発行し番組を作るだけでなく。あの人たちと共に地球の未来を見据えているのではないだろうか――ジャーナリストとして生きていこうと思った者は、そういう青臭い正義感のようなものを皆、もちろん俺も、持っているものだけど。実際に、そういうことができる立場にいるんじゃないか。
そう思う。

 「真田長官とお親しいんですね」
ふっと黒埼は笑った。
「お前、俺の身上調査か? 取材なら別の相手にしろ」
「い、いや、そういうわけじゃ……」
一つだけ教えてやろう。……真田さんはな。俺の先輩だ。
え? と驚くジェームズ。
「俺は、防衛学校で2年まで居たんだよ。それから連邦大学に転科した。いわばガミラス戦時代の、オチコボレだな」
えぇ、と驚いて。
「……古代さんたちの、先輩なんですか」
「あぁそうだ。古代もユキも、昔から知ってる」
そんなつながりが。
内緒だぞと口止めされて。絶対に話しませんとジェームズは答えた。

 それにしても。
「祐子ってあぁいう環境で育ってきた女なんですね」
何をいまさらと黒崎は。「見掛けはお嬢様っぽくて。やってけるのかなと思ってましたけど」
ふふっと黒崎はまた皮肉な笑いを漏らした。
「あいつは、度胸だけはあるよ」
ヤマトの子弟に生まれ育つということは、俺たちには想像もできない環境さ。何故だかわかるか? 
いえ。
覚悟して生きている親たちに育てられている――いつ命がなくなるか。それに、平和になってもな。拉致、誘拐の危険は常にあったそうだ。子どもの頃からな。
だから、「平和」なんてものをてんから信じていない子になるのさ。
 なるほど。
 特に古代の息子たちと相原の子どもたち、南部、太田。皆、現役だろう。親たちの姿を見ていればそうなるさ。だから――こんな時代にどの家からも親の跡を継いで軍に入る。
そうですね――守る立場の人たちなんですな。
「それにお前は知らないだろうが、祐子は新米の訓練生程度ならエアカーもコスモガンも操るぞ。
コスモタイガーに…もちろん恋人の運転だったらしいけど――乗ったこともあるそうだ」
へぇ、と驚いて。
「そうだ。お前も民間用の基礎訓練受けておけ」
へ? とジェームズは。
「何が必要になるかわからんからな」
「編集長――」
「俺はこれでも予備役くらいならこなせるんだが、自分で出ていくのはもうお断りだからな。
祐子だけ出すわけにはいかんからな、編集長命令だ」
「そ、そんな……」
 それはもしかして、と内心思わないでもない。
相原がどうしてそんな訓練を受けてきたかも思い至らないわけではない。
“従軍記者”――という単語が頭を掠めた。
 まぁいいさ。お前がついてきたのもチャンスといえばチャンスだ。
 これから、死なばもろともだぞ、とその鋭い目で見返されて。はいと頷きジェームズは武者奮いした。

 さて、一杯付き合わんか。まだ夜は早い。
はい、と2人して。夜の闇に消えていった。



 ねぇ父さん。
 並んで帰路を歩きながら祐子は傍らに並ぶ父に話しかけた。
「こんな風に話すの、すごく久しぶりね」
「まぁな」
そりゃお前、仕方なかろう――互いに“立場”ってものを持ってしまった。
たとえお前がまだひよっ子でもな。マスコミ人であることには違いないからな。

 「そういえば、家は見つかったのか」
知ってたの? あぁ。俺もそうした方がいいと思ってた。母さんも同意見だ。
そう。
「心配は、心配だけどな」背の高い父さんが、頭をくしゃと撫でる。
 一つ物件があるからそこにしなさい。
――家からはさほど遠くはない…何かスクランブルがあった時に駆けつけられる距離だ。
会社にもアクセスは良いはずだ。
あと、セキュリティの問題があるのは、承知してるよな。
はい――こういう生まれですもの。と祐子は笑って。
「いい子だ」優しい声。

 ねぇ父さん。
 なんだ。
 大輔は――聖樹は大丈夫よね。
そうだな……宇宙戦士に惚れたらいつかは味わうことだろう。覚悟はしてただろ? と。
うんもちろん。
祐子は腕を取ってその腕に頭をつけた。
「父さんも、また行くの? ……古代さんと」
じっと。立ち止まり前を見て。
「あぁ……もう少し戦況が進んだら。一度は古代と一緒に。本拠地までな、行かないわけにはいかんだろうな」
心配するなよと頭をもう一度撫でて。
 わかっているのだ。地球を代表して、古代司令さんが一度は行かなければならないことは。
その時、きっと。お父さんも……もしかして真田さんも一緒に行くのだろう。
そうして。大きな流れを話し合い、その先を見据えて――それまでは駒として、あの人も、兄も。戦わなければならないのだ。地球の――私たちが生きるこの大地のために。

 「だがね、祐子」
はい、と答える。
「見ているといいよ――せっかく選んだ道だ」何を言うのかと父を見上げた。
「俺はね……地球の戦いの歴史を、すべて見てきたという自負がある。見て、聞いてきた」
父さん――第一艦橋に常にあって。18の歳から。古代進の傍らにあって。
大切な人たちの生も死も。すべてを聞き、見て、記録してきた。
「時には、辛いぞ――見ているだけ、聞いているだけ、というのも」
はい、と娘は答えた。
 わかっているわけではなかったが――こんな話を父さんがしてくれるのは初めてだったから。
「まだ俺はね。聞いたことを伝え、その通信で人が動く。だからより正確に、時には人の命がこの通信にかかっていると思いながらね。技術を磨き、人を見、学ぶことを課してきた」
 知らなかった。
一見穏やかに見える父さん。そんな激しい気持ちを持って、そんな風に努力をしてきたなんて。
時には銃を執り、古代や島を守って。南部とともに艦橋を守って。生きてきたさ。
「父さん……」
祐子は改めて、父親としてでない相原義一を思った。
「お前は見ているだけ、聞いているだけだ。――自ら手を貸して何かを成すことはできない。戦いの中ではね」
「父さん…」
「だがね」
俺たちに出来ないことで、出来ることがあるはずだ。
 人の心を動かすとはね。
 けっして煽ってはいけない。その中で、生きて、死んでいく人々を見守り、書き残していってほしい。
俺たちの時代にそういう人がいなかったのが残念だがね。祐子、約束だ。

 父さん――
 祐子は父の胸に飛び込んだ。涙が流れていた。

 見て、聞いて。残して……そして時宜を見て伝えていってほしい。
ふっと笑って。
――それが俺たち親子の役割なのかもしれないな。

 俺はね。
 古代艦長さんの行くところだったらどこまででもついていくよ。
この歳になってもな、今でもそんな気持ちがあるのが不思議だが。だがそれがなくなったら――母さんにも。お前たちにも――。そして少し言葉を切った。
「……島さんにも顔向けできない」

 島大介の名が父から出ることはめったになかった。

 父さんの直属の上司だった人。ヤマトと共に逝った地球の英雄――。
古代艦長さんの親友だった人。
だが、父が島大介をどんな風に思っていたのかは、聞かせてくれたことがなかったように思う。
(父さん--)

 誇りに思える娘でいてくれ。――大輔はいい男だ。俺たちと同じ心を持って、宇宙にある。
お前も、彼にふさわしい女でいろ。
そういう戦いもあるはずだな――。
 はい、と父を見上げて。

 いつか。
 自分の目でみたヤマトの歴史を、すべて話そう。
相原義一はそう言った。
――それまで。得た知識と。歴史観と、そして勇気を持って。
お前に与えられた立場で、それを成していくがいいよ。
そうすればお前は、俺たちのできなかったことをしていくことができるのかもしれないな、と父はそう言った。

 さぁ、急いで帰るか。
 母さんが心配してるからな。
うん。とまた腕を取って。ユキさんの料理美味しかったわね、といいながら足を速めると、あれきっと半分くらい古代が作ったかもな、と言う。
えぇ、古代さんて料理するの? というと。
古代や島は料理得意だったさ。島は食通だったし、古代は兄貴と2人暮らしだったからな。俺たち集まって飲むと翌朝なんかけっこう旨いもの作ってくれたりしてな。
昔はユキより古代の方が腕前は上だったんだぜ……。

 楽しげに笑い合う声が、夜の中に響いていった。


【End】
綾乃
--18 May,2006

[あとがき、があります。] 

・・・【2007年のあとがき】・・・

 この物語はいろんな経緯をたどり、掲載したり削除したりを繰り返しています。下記あとがきは、一度目に掲載した頃のもの。これもしばらくして削除してしまいました。
 2010年、「宇宙図書館」のブックフェアで、「春・出発」という特集を行い、その時に再掲しています。
 2012年版「あとがき」は、アーティクルを改めます。
 ご興味のおありの方のみ、どうぞ。

 本当は、お話だけ読んでいただければそれで良いかな、とも思いますのが、簡単に、この状況の経緯や意図をご説明しています。ほかのお話を読めばわかることですが、短編は単体でお楽しみいただけるのがよろしいかと思いますので(^_^))♪

◆ ◆

 2006年の5月--もはや今から8か月近く前に書いた話です。
 なので、背景も初期からお世話になってきた 「トリスの市場」 様だったりします。(注/ウェッブのこと)

 いよいよ第三次星間戦争が勃発し、ジャーナリストの卵として新生活をスタートしたばかりの相原祐子には、その、職業柄の意欲の高揚と、戦場の最前線にあるであろう恋人への心配の板ばさみとなります。

 ごく初期の頃からあった設定の通り、古代聖樹&加藤大輔の艦隊も、古代守&相原航の艦隊も、戦乱に巻き込まれます。
ただこの戦いは、ガルマン帝国をはじめとする帝国と、ボラーの残党や暗黒帝政を名乗る連合との、ごく政治的な戦いで、宇宙の版図をかけたものでした。
だから地球本土に戦火が及ばないように、それをコントロールしていくのが彼らに課された最も重要で、難しい--しかも理解を得られにくい戦いです。
 
 いかがでしたでしょうか?

 この作品というか。相原親子が、綾乃の書く話に登場する【テーマ】というのはラストシーン近くで、義一が娘に語る言葉にすべてが集約しています。

 手を貸すことはできない、見ているだけは辛いぞ--
 だが目を逸らさず、見つめ、正確に書いて、残してほしい--。

 これはまさに、言いたいことの私の100%です。
 ここで登場する黒崎は、それまでの話にもちょくちょく登場しています。真田の盟友で先輩--として「Traveling to the Future」に初登場し、古代進に不審がられたのは25年近く前だったでしょうか(笑)。
なかなかの人物で--何人かの、私が知り得た人々をモデルにしています。
 それに、戦士じゃない人たちから見た宇宙戦士たちの生活や、仕事=戦いや宇宙でのいろいろなことも、祐子やジェームズの目を通して書いていけたら面白いな……ってまたまったく別のシリーズになりそうですね(笑)。

 蒲生=ジェームズ・武にもモデルがいます。いや、数人の人物も、、、
ぶはは。あまりやってると個人情報がバレますんでやめときます(笑)。

 あー、もちろん。古代くんはカッコいいです。相原くんもなかなかイケてます。
 真田さんも貫禄です(^_^) ファンの皆さま、いかがでしたでしょう?

 けっこう楽しんで書いているバージョンに入りました。
 祐子と大輔--これからどうなってくんでしょうか。
 また、ガルマン帝国と、古代聖樹と、デスラーの長子・ユリウス殿下は?
まぁこっちの方は、紗月に任せて(爆)、遠くマゼラン腕の彼方から、銀河系中央を、虎視眈々と見守りたいと思うのですが。

 ご感想など、いただけましたら、嬉しいです。


綾乃
--07 Feb, 2007 あとがき記す

[※旧いバージョンを覚えておいでの方は、蒲生ジェームズ=武の姓が違っていたことをご記憶かもしれませんが、これは某アニメの重要登場人物と、知らずに同姓(しかも珍しい)になってしまったため、変更しました。ご了承くださいませ♪] 
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