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bu2009-05_風雲急を告ぐ[1]

First contact:02

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第一報・・・星の彼方より(02)

【前のお話】 [01]

 ・・・

=1=
 「それじゃぁ、行ってくる。……3日、、、長くても5日で戻るから。その間、よろしく頼むぞ」
こくりと頷き、敬礼する佐々。加藤四郎の横には、その雛形とでもいえるような少年――背ばかりは
母親を追い越してしまったがまだ細っこい姿で控える息子・大輔がいた。
「頼むわよ」
母親であり上官である葉子の視線を受け、緊張した面持ちで頷く。そうして父をチラりと見上げた。
彼は言葉は出さず、だが行こう、と肩を抱き、促した。踵を返す親子である。
基地総司令の制服制帽に身を包み、加藤四郎は機上の人となった。
 此処から辺境地区の将星である惑星トランザムまで、ワープを最大限に伸ばし最速で飛ばして
丸1日半。其処に各基地の責任者たちが集められ、地球から派遣されてくる者と緊急のミーティング
が行われることになったのは、通信から3日後のことだった。
(やけに対応が、早い……)
それが佐々の関心である。

 佐々葉子は基地副司令補として、四郎の下で独立した指揮権を持っている。
加藤四郎の司令代理は松崎という、やはり外周艦隊で前線を勤め上げた男で、葉子よりも5~6歳は
年長だった。現場上がりのコワモテではあるが実直で、融通が利かぬだけにある意味、信頼が置
ける。留守はこの松崎を長として、葉子がそれを補佐する形になるのだ。
 何かあるとは思えないほど、平和なコロニー空域ではあった。
 開拓の時節は過ぎ、社会は安定化しはじめている。だからこそ地球からの遠隔操作をどこまでの
範囲にし、どこまでを自治政府が作り上げるか、そういった協議に入った時期でもある。――この
惑星マーメイドには大事な季節だった。
 しかし――いかに生産・供給・生命維持に地球や太陽の恩恵を受けていない、とはいっても。
多くのものは地球を母と仰ぎ、太陽を父と望み、その太陽系はやはり故郷の星である。
ただ一つの“地球”――その惑星ほしから生まれたことを忘れはしない。


 「“カスケード・ブラックホール”って、なんだ?」
四郎にはおぼろげな知識しかない。大学院で宇宙物理学を専攻した佐々の方が、そういった
宇宙現象には詳しかった。
――さっそく基地の研究室の一部が召集され、地球からの打診に従って(ある程度制限された
情報の中ではあったが)動きが活発になる。

 「――司令。連邦全科学会議が召集されたようだよ……」
翌朝、早朝の執務室。
随時吐き出される本部の情報をチェックしていた佐々が、加藤に報告した。
「本気だ、ということかな」「さぁ……」
 「私は今日は居住エリアにこもる。研究室の方で執務を執るから、なにかあったら知らせて
ください」
佐々はそうスタッフに告げると、加藤に連れ立って基地の奥まった方へ向かう。
「――大輔は?」
2人並ぶと、四郎は少し砕けた口調になって葉子にそう言った。
「もう泣き言言わずに留守番するわよ。……それとも、連れていく?」
「いや――そうだな」

 その時は頷かなかった四郎だが、出立するという朝になって急遽「連れて行く」と言った。
何故? それは戦士として長年、修羅を潜ってきた者の勘。また、真田志郎という盟友であり
師でもある相手との、なんらかのつながりだったかもしれない。四郎が葉子に語ったことは
少ない。情報が無さすぎ、そうしてこの辺境区域での状況は微妙にすぎるのだ。 

 加藤大輔は今年13歳になる。大人ではない――だが辺境では、いつまでも子どもではいられ
なかった。
「お前も――いざというときの準備だけはしといてくれ」
それが四郎が唯一、葉子に伝えることのできた望みである。
「……わかった」
頷き、四郎の顔を見上げた。その瞳が語るものは何だっただろう。

 いざという時――地球へ急遽引き返すか、または。出撃か、発進か。
再び戦艦に乗るのか、移民船か。いずれにせよ、この惑星ほしたねば
ならぬ事態が起きれば、まず最初に私たちが行かなければならない――。
その時は共に行く、そういう約束だった。

 「加藤司令。これ……」
タラップをあがろうとする前に、彼女はあるものを手渡した。
「荷物になるだろうが、持っていって」
「これは……」ふと見て、合点が行った顔になった四郎である。
こくりと佐々は頷いた。――自分で飛ぶことはもうないのかもしれない。
だがいざとなれば。必要であれば。
 タラップを上り、基地を離れる総司令の胸中は複雑である。
 データどおりならこの惑星系に影響はない。だが、その先、地球が飲み込まれ、
太陽系が滅亡した宇宙の変化に、恒星系自体が耐えられるだろうか? それは、
誰にもわからない――だが、計算しなければならなかった。それによって、マー
メイド星系8,000万人の生命と未来がかかっている。

 発進準備。小型艇の艦橋ともいえる其処にベルトを締め、横に大輔も座った。
「――母さん、大丈夫かな」「あぁ」
父は安心しろ、というようにそう言った。
 大輔は小学生の時以来、地球の土を踏んでいない。訓練に入り予備役となって
からも一度も無い。「――地球へこのまま、行くの?」
何らかの勘が働くのか、不安が言わせるのか。もしかしたらその先を、彼はその
若い感性と宇宙時代の感覚で予見していたのかもしれなかった。
「まだわからんのだ……だが。会議の結果によっては――そうだな。お前に飛んで
もらうことになるかもしれない」しっかりやれよ、と初めてそういわれ、彼は緊張
を隠さぬまま頷いた。
「――大丈夫だよ。父さんや母さんも……古代さんも居るでしょ。地球はあの人が
守っているの?」
四郎はかすかに首を振った。
 「あまり憶測するんじゃない――まだ何もわからん。だからこそ、集まるのだからな」
「……はい」。
制服を着け、ふねに乗ってしまえば親子であろうとも司令官と下っ端に過ぎない。
今回は特別にお付きの役割を与えられたとはいえ、単独の任務が与えられれば力足らずで
あってもこなすしかないのは大輔とて承知であった。
 「――厳しい、時代なのね」
「どうかな……だが」と四郎は思う。目を閉じてシートに背をもたせかけると、目の前に
あの、イカルスの閉ざされた空間とそれを囲む果てしない宇宙空間が拡がった。
 (――澪。……そうして、古代。……ヤマト)

 ふと、葉子に手渡されたものを確かめる気になった。その手触り――これを脱いで何年にも
なる。戦闘機そのものにも乗る機会はほとんど無くなってしまったが……。
「それは、何なの?」大輔が気づいて問う。
「あぁ」と四郎は答えた。「ヤマト・コスモタイガーチームの、隊長の制服だ」
「父さん…」黄色のライン、黒のボディ。多くの人が憧れ、そしてまたこれを着て命を落とした。

 四郎は目を閉じ、宇宙船の浮力に任せた。
 星が後ろへ飛んでいく――最初のワープまで、あと10分だった。


(… (03) へ続く)
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