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bu2009-29 天泣(てんきゅう)

天泣、再生→生還・03

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2 = 地下都市 =

 そうして彼らはそのまま地下で生き延びられることがわかった。

 訓練学校の地下施設はそのまま生きていたし、エネルギーもわずかながら動いていた。
申請すればきちんと供給されるはずだったのだが、当面は、どうするか、である。
多くのものは家族の安否を知りたがり、それとの合流を望んだが、ここで解放してしまってよいものかどうか。
機密や戦時の行動についてすでに実践的に叩き込まれている上級生は別として、下級生は、ふとした失策からこの場所や、自分の知っていることを外へ漏らしてしまう可能性があり、またそれは常に危険を呼び込んだ。
 また、いったん解散してしまったあと、再び此処へ戻るだろうか? 
いやそのまま返してやってもよい。そのような場合、“脱走”になるのだろうか? 
戦時のどさくさだろうか? 
いずれにせよ軍そのものと連絡が取れない限り自分たちにはどうすることもできなかった。

 教官で生き延びて同じ地点に合流できた者は3人。
合流地点はあと二つあったから、そのいずれかに古河が落ちのびていてくれることを切望したが、
(あの状況では難しいかもしれない…)
ともすれば絶望的な気分が覆った。
 他の2人の教官たちは実戦経験こそないものの有能な人間で、一人は友納より少し年上、もう一人はベテランだった。

 「校長や副校長は大丈夫だっただろうか」
その一人、久貝が心配するのに、ベテランの汐見
「もうご帰宅されていただろうからな。ご家族とご一緒だというだけが救いだ」
 この学校の校長や教頭は歴戦の勇士が勤めることが多い。
現・校長は文官あがりの穏やかだが腹の据わった人だったが、副校長はもとの月基地総司令・片岡賛(かたおか・たすく)である。
実際、心配などしていない友納だったが
(どこかで連絡をとり、合流しなければ…)
その思いがある。

 地球はどうなっただろうか。

 指揮系統・連絡は分断され、地上はずたずただろう。地下へ逃れた者もいれば、そうでないものもいるにちがいない。
(情報が、欲しい……情報が)
切実だった。

☆  ☆

 とりあえずねぐらだけを確保すると、2人とも相談して、家の近い者については2人一組で近親者の安否確認に出すことにした。期限は2日。2日以内に戻らなければ脱走扱い、という厳しい通達だ。
少しでも情報を持ち帰ること、また地上へ上がる場合は武装するな。
……民間人を装えというようなことである。
 極秘地点からの出入りは厳重に禁じた。
……その中で、家へ戻りたいと申し出た者は多くなく、それを精査して6組12人だけを送り出した友納たちである。

 防衛軍本部から連絡が入ったのは潜伏して三日目のことだった。
 物資の備蓄は数ヶ月分はあったが、こうしてもぐっていても進展は無い。
民間人や地球を護るのが自分たちの任務であるなら、なにかをしなければならないのは任務遂行中だということだ。
 『——友納くんだね』
 画面の中に、その年配の落ち着いた顔が映った時、その藤堂長官がなんと懐かしく感じられただろう。
「ご無事でしたか―」
ヤマト造反の件で直接面識のある友納である。
『——合流できる者は全員、此処にいる。…パルチザンを組織しつつある。私もその一員として戦うつもりだ』
「指揮系統は?」
『民間との共有でな、Kという男がまとめあげてくれている。ともかく、こちらへ移動したまえ。
そこは分署として確保しておきたいが、人員を分散するのは作戦が立ってからにしたい』
そこからは現場の話になり副官らしき人に代わった。
 生存者確認、現在、外へ出ている者も含め、即刻引き上げ、合流せよ。
もちろん、こちらに否やはない。

★  ★

 合流してからはめまぐるしく隊の再編成や、パルチザンとの共闘その他、軍としてどこまでかかわるかという考え方など。
地上機能は案外にスムーズに地下へ移行されており、安否の確認に出た学生たちもほとんどが一応の報告を持って戻ってきた。
 その学生たちは敢えてパルチザンに参加、という者以外は家へ帰した。
もちろん家族が行方不明や殺された者も少なくなく、そういった者は残って戦う道を選んだが、友納は自宅をチェックにも行っていない。

(和気…どうしてる? もし、生きていれば連絡を寄越せ)
そのためのホットラインは引いてあり、それができない男ではない。
現在は民間のパイロットとはいえ、ヤマトの生き残りだ。
いざという時の対応に抜かりは無いはず……だが、襲撃発生から丸3日経った今も、連絡は無かった。
 考えたくはなかったが、(捕まったか――最悪…)、、、生きていればどんなことをしても助ける。そう思った。

 が、彼が時間を得て会社の襲撃跡を見、さらに日下らに連絡を取ったのはそれからさらに数日あとのことになる。

★  ★

 「捕まったのか? それで」
顔色が引くのがわかった―−まさか、とは思っていた。
死体は無かった。死体ごとひきずっていかれたのかもしれず、その安否は不明だ。
「あいつが死ぬわけ…あるか」悔しそうに、彼が言うのを「——申し訳、ない」
日下が土下座するのに、
「貴方の所為ではない。誰だってそういう行動を取った。それで全員、生き延びたのだろう? 和気の対応は正しかったし、従った貴方も正しかったんだ」
「友納さん……」はっきりと安堵と驚きの色が日下の顔に浮かんだ。
 「私は、パルチザンに参加する。友納くん、連れてって」
志麻がそう言い、母親を抱えた三上と妻のある丸山は同調しなかった。
「俺も行く、と言いたいが…」
「貴方は香澄さんとお嬢ちゃんを護ってやってくれ。それが和気の望みだ」
それに、あんたが倒れたら社員の皆がどうなる。何かあったらたよりにするのはあんただけなんだから…そう言ったが、日下は大丈夫だと言い、妻子は南美が預かるからと言った。それがひいては皆を護ることになる、と。
 「よしわかった……野崎(志麻)さん、日下さん。行こう」
「はい」「あぁ」
そうして友納は和気を必ず探し出す、という決意のもとに、隊へ戻った。

(続く)
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