FC2ブログ

スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←天泣、再生→生還・04 →天泣、再生→生還・06
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



もくじ  3kaku_s_L.png ♪ 情報・連絡
もくじ  3kaku_s_L.png 【はじめに】
もくじ  3kaku_s_L.png KS&MY百題_新月版
もくじ  3kaku_s_L.png G2005-70 Timeout
もくじ  3kaku_s_L.png G2006:AD2200年代
もくじ  3kaku_s_L.png Yoko Sasa短編
もくじ  3kaku_s_L.png 短編:相原祐子
もくじ  3kaku_s_L.png パラレルA
もくじ  3kaku_s_L.png Original 新月world
もくじ  3kaku_s_L.png ◇ヤマト2199
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

bu2009-29 天泣(てんきゅう)

天泣、再生→生還・05

 ←天泣、再生→生還・04 →天泣、再生→生還・06
4 = 牢にて =

 ぴちょん、と頬に冷たいものが当たって、は、と目が覚めた。
 うなされてガバ、と跳ね起きようとして、体が動かず、痛みにひっ、と縮み上がった。
――――その途端、記憶がどっと蘇ってきた。

 ちくしょう、あいつら。思う様、弄りやがって……。

 「ムリ、しない方がいい。動かないで…」
柔らかい声がして、え? と顔を起こすと、心配そうな顔が覗いていた。
「あ、あなたは…」
「わしらか? 皆、あんたと同じさ。捕まったんだ…」
60歳くらいだろうか? 白髪の痩せた男が今の声の主で、
「幸い、薬があるんで、塗っておいた。沁みるだろうが、ムチの跡は残るでな」
初老のその人の口調からすれば、
「あんた、医者か?」こくりと相手は頷く。
「――たまたまだがな」
いて、…と思いながらゆっくり体を起こし、見回してみれば、老若男女6~7人が薄闇の中に息を潜めていた。
 「ここは……?」
「牢だよ」
「あいつらの、ですか?」こくりと彼は頷く。

 「――――しかしあんたは酷い目に遭ったの。ワシらでそんな目に遭ったやつはおらん。軍人さんかの?」
いいえ、と和気は首を振った。……元軍人であることも言わない方がよいかもしれない。
牢だとすれば、どこからか見張っているだろう。
俺の体を仔細にチェックしたのも、その疑いを捨てなかったからだ。
 だがわからない。
疑わしきは罰せよ――あの“襲撃”の際の容赦なさを思えば、殺しておけばよかったはずだ。
――拷問して情報を引き出そうとしたとしても、それにしては中途半端な扱いだと思う和気である。

 「どうなすった――痛みなさるか?」
 沈黙してしまった俺に、その人は気遣わしげな目を向けた。
職業柄とはいえ、面倒見の良い人なのに違いない。和気はいいえと言い、ご心配なく、とも言った。
「しばらく動かさん方がいい。……民間人はいきなり殺してしまうようなことはないようで、昨日も疑われた人が引っ張っていかれてそのまま帰って来ていない。どうやら傭兵とかやってた人らしかったがな」
「頼りになると思っていたのに」
「いや、こういう時は、力無き者の方が良いのよ」
後ろに居た女性たちのうち年配のふくよかな一人がそう言って、若い女性をたしなめた。
 「食事と飲物は1日2回出される…とはいえワシらもまだ此処へ来て、2日しか経っとらんから、そういう仕組みなのかどうかはわからんけどな」
「――とりあえず、水物だけでも食べられたら…」
先ほどの女性が食器を持って近づいた。
「避けておいたのよ、随分長いこと目を覚まさなかったから。……苦しそうだったし」
 それでは、俺は看病されていたのか。
「ありがとうございます」頭を下げた。

 「いつっ」
「あぁ、あぁ。礼なぞいいから、ムリしなさんな。

 ムチだとすれば相当に気合の入った高性能だ。
 痛みで寝返りも打てず、眠れない和気は考えるしかなかった。
背中に染みるが傷が化膿さえしなければ大丈夫だ――痛みには慣れていた。
 よく考えてみれば可笑しなところだらけなのだが……軍人は捕まったら極刑ということだな。
それと、連中は、ヤマトの情報を求めている。
疑われないためにはどうしたらいいのか――それに、これからどうすべきか。
 和気にはいつまでも此処で捕まったまま、また次の尋問に引っ張り出されるのを待っている気はなかった。
(だが、どうすればいい?)

 情報は無い。
 武器も、無い。そうして、逃げなければならないのは自分だけではない。
脱走すれば、類は残された人たちに及ぶだろう……どうする? 秋里。
 (――伸義。お前、心配してるだろうな……)
それだけは確信があった。
俺を助けるために、力を尽くしているだろう。
だがヤツも軍人だ。しかも幹部にほど近い位置にいる。
――救(たす)けなければならないのは友人や恋人ばかりではない。
(自力で動くしか、無いか)
地球の様子も気になった。
軍が機能しているかどうかも不明だし――なにより、このままこうしていて徐々に嬲り殺されるのも嬉しくない。
 だが様子がわからないから、動けない。
逃げようにも岩窟を利用すて作ったような場所。
……さほど東京メガロポリスから遠いとは思えないのだが。。。ここもまた地下都市の一部なのだろうか?
 だとしたら逆に、勝機はあった。
 伊達に4年も5年も――地球人は地下都市生活をしてきたわけではないのだ。
まだ3年……ガミラスの襲撃によって地球があと1年の生命期限を突きつけられてヤマトが出発してから、まだ3年も経っていなかった。

(続く)
スポンサーサイト



もくじ  3kaku_s_L.png ♪ 情報・連絡
もくじ  3kaku_s_L.png 【はじめに】
もくじ  3kaku_s_L.png KS&MY百題_新月版
もくじ  3kaku_s_L.png G2005-70 Timeout
もくじ  3kaku_s_L.png G2006:AD2200年代
もくじ  3kaku_s_L.png Yoko Sasa短編
もくじ  3kaku_s_L.png 短編:相原祐子
もくじ  3kaku_s_L.png パラレルA
もくじ  3kaku_s_L.png Original 新月world
もくじ  3kaku_s_L.png ◇ヤマト2199
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

【天泣、再生→生還・04】へ  【天泣、再生→生還・06】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。