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G2006:AD2200年代

奪回~宇宙(そら)の果てで 02

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(2)
 いつものルートで出入りしたはずなのに、ふと気づくと薬をかがされ、車の中に連れ込まれていた。
同行していたSPは死亡――だろう恐らく。
生きていたら、僕を連れ出すなんてことを許したはずはないし、少なくとも、非常警戒態勢を敷いて、地球脱出以前に止められたに違いないから。
 学校帰りの服装のまま――半分朦朧とした意識のままに、僕はいつの間にか宇宙船に乗せられ、地球から連れ出されてしまっていた。

 ――さすがのセキュリティも、そこまでは届かない。
だがあの厳重な宙港の警戒網を突破するなど、考えにくかった。
独自の港か、艦を持っている組織の仕業……いつもの客とは桁が違うだろう。
中学校2年生にならんとしている古代守には、そのくらいの推察はできる知識はある。
 敵も子どもとはいえ警戒したのか、薬を打たれ、朦朧とした意識のままに運ばれたので、いったいどのくらいの時間が経ったのか、どこへ向かっているのかすら不明のまま……宇宙空間に出てしまえば時間はわからない。
場所が特定できさえすれば、(太陽系内の知っている場所なら)星の位置や運行で、ある程度のことはわかるが、それもまったく不明。
宇宙は広い――。
ただ空腹や喉の渇き、生理的な欲求などが、だいたいの時間の経過を知らせるのみだった。
 トイレには2回くらい行かされたし、食事も一度は出た。だがあとは基本的に注射を打たれ、薬と栄養剤で生かされていた感じだ。
 拘束されたままのワープが辛く、ワープ明けはひどい酔いが襲った。
(ちっくしょう――古代進と森ユキの息子だぞ、僕は! 情けないぞこれくらいっ)
守は自分で自分を叱ったが、この状態でギブアップして泣き喚かないだけでも、たいした中学生だと褒められても良いようなものだった。

 (ワープ、3回だよね? 、、、どこ行くつもりだろう)

 もはやセキュリティレベルで助けが来るわけはないのは承知していた。
自分を古代守――太陽系外周艦隊総司令の息子と知って狙ってきたことも確実である。
(……あれほど気をつけてたのに。父さんの邪魔になっちゃうな)
はぁとため息をついた。何か不利なことにならなきゃいいけど。
イザとなったら覚悟決めた方がいいのかしら――でもやだな。
頑張って生き抜くのとどっちがいいんだろう。
……でもだめだ、僕に何かあったら、父さん泣き虫だからな…。

 実際に公人としての両親がどう動くのかも想像できて――それは嬉しい想像ではなかった。
息子が捕らえられたからといって、それを助けに動く、というわけには、彼らの立場では難しいのは推察できたからだ。
 だが。
(生き抜け、っていつも言われてる――)
そうやって父さんたちは生きてきた。地球も生き延びてきた。
その犠牲になり、死んでいった人たちのためにも、生き抜かなければだめなの。
母さんもそう言う――若い頃は一緒に戦った、一級の戦士だ。
お前が生きていることでどんな立場に置かれようと、父さんも母さんも構わない。
ともかく何があっても、助けが行くまで生き抜け。どんなことが、あっても、だ。
 そう言い聞かせられたのはいつだったかしらん。

 ふぅ。
 寝返りは打てたのを幸い、気持ち悪いのはどうしようもなかったが、彼はそんな考えをめぐらせていた。

(あれ?)
 艦の音が変わった気がする。
と、シュン、と音がして1人の、全身をマスクとシンプルなデザインと淡い色調の布に覆われた男が入ってきた。
「――古代、守か」
守はきっと顔を上げて、そいつを見返した。
 ふ、と笑われた気配がする。
「その状態でまだ睨み返せるか――元気な坊主だな」
離してやれ。
そう合図するのに、後ろからまた2人が近寄って、拘束具を外した。
「――船はそろそろ目的地へ着く。残念だが、この中から下ろすわけにはいかんがね。もう寝て無くても良いから移動する」
そう言われても黙って見返すしかなかった。

 手を後ろ手に縛られ、縄を打たれた。
靴は履かせてくれたのでさほど不親切という扱いでもなかったが、立たされてフラついたのは丸一昼夜寝かされていたんだから仕方ない。
だが、立ち上がるとさっきよりはずっと気分が良くなった。
 「顔色が青いな――不安か?」
淡々とした口調でリーダーらしき最初の男が言う。
「……ワープ酔いです。少し、気持ちが」
「悪いか――おい、誰か水をもってきてやれ」
1人が走って外へ出ていった。
 綱を引かれて行く途中で、水差しが与えられ、腕は自由にならなかったので、そのストロー状のものから水を飲んだ。
あまり飲みすぎるとトイレが近くなるので控えなければならないと思ったが、飲んだら少し気分が良くなったので、コクコク、と一気に飲んだ。

 ごぉんごぉんという不思議な音がする。
 パイプだらけの狭くはない部屋に連れて行かれた。――部屋、というのだろうか?
「とりあえず、ここに縛れ」
柱の一つの前に椅子が置かれ、天井に向けて空間が複雑に広がっている。
「着地する時の振動があるからな」
そう言って、随行してきた2人も全員が、壁際の椅子にシートベルトを締めて座った。
 『本艦は、軌道に乗りました――50分でγ上に着艦。各員、衝撃に備えよ』
全艦放送だろう声が聞こえた。

▽  ▽

 地表らしきところに着いたのであろう。断続的に続いていた揺れや、一方に引っ張られる重力の不安定さもなくなった。
どこかの小惑星か、隠れ家だろう。
 だが、そこがどこかは全くわからなかった。

 食事が与えられたが、その後、数人の白衣を着た男たちが入ってきた。
ビデオカメラらしきものと、手に何か…あれは!?
初めて、恐怖に顔が引きつるのを感じた。
「お父様にメッセージを送らせてやるよ。ここに居ますから助けてください、ってお願いしてみろ? 助けてくれないと、酷い目に合わせるって言われている、とね」
カメラが向けられ、明かりがまぶしかったが、僕は顔を逸らして、答えなかった。

 ぱしん、と頬が鳴って、痛みが走り、口の中が切れただろうと思う。
 「さすがに親のお仕込みがいいのかな――強情だな」
やめろ。
最初に来た方の男――だろうと思う、声がそうだった――がそれを止めた。
「守くん――」くぐもった声だ。「言うことを訊かないと、少し、痛い目にあうことになるよ。それでも、いいのかい」
僕は、とても怖かったが近付いてくる顔を避けるように首を縮めると、返事をしないように、そして震えないように、唇を引き結んだ。
父さんたちが何をしようとしているかは、僕は全然知らない。
だけれど、この人たちが、父さんたちを陥れようとしていることだけは確かだった。

 
(3)に続く・・・
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