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G2006:AD2200年代

奪回~宇宙(そら)の果てで Epilogue・2

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Epilogue・2=

 コトリと微かな音と気配が背後でした。
気づいてドキりとしたが、知らぬふりをした。
もしかしたら――急に感覚が鋭敏になる。
……訓練学校でも言われていたじゃないか、できることがない時は体力を温存して時に備えろ。
そして、その時が来たら迷うな、行動しろって。
それから――気配には敏感になれ。だが、反応する時は注意しろ、だったかな?
 古代守は振り向かないように努力した。
見張りの視線が向いちゃったら失敗するかもだし――でも、また怖い人たちだったら、どうしよう?

 そう考える間もなく、ひゅん、と身体の横を過ぎる音がして、頭の上から黒い影が振り、見張りの1人が倒れ、蹴飛ばされた。
あ、あぶない――もう1人がすぐに銃を構えたが、逆に撃ち倒され――僕は、温かい腕に包まれていた。
「――葉子さん…」それに。古河さん。
--ほっと気持ちが緩んで気を失ないそうになったけど、手早く紐を解かれ、葉子さんに立ち上がるように促された。身体を支えてくれる。
 足を踏みしめようとしたけど、無理だった。

 左足を今朝、酷く叩かれ、骨が折れていたからだ。
足を踏み出した途端、痛みが背中まで突き抜けた。蹲うずくまりそうになった時、右手から、またばらばらと数人が駆け込んできた。
――懐かしい、防衛軍の制服の人たち。あぁ、助かった、のかな?

 素直に背負われて、揺すられる衝撃で全身の痛みが酷い。
だけど、なるべくうめき声が出ないように努力して、目を覚ましていた。
すぐに走って抜け出して――あまり戦闘にはならなかった。
とても静かに行動した所為もあるだろう。ほとんどの人が、物音も立てないし、話もしなかったからだ。
 僕はたくさん言いたいことがあったし、きっと佐々さんや古河さんも沢山知りたいことがあっただろうけど――森に入った処で一瞬だけ、佐々さんが通信機を取り出し、何事かを発信していただけで、あとはただひたすら走って、森に偽装された中を抜けた。

 僕はほとんど意識を失っていたんだろうと思う。

 高松さんという小父さんの背中から下ろされ、佐々さんの柔らかい腕に抱きかかえられて、何かに横たえられたと思った途端、それまで我慢していたことが一切わからなくなり、僕は、気絶したんだろうと思う――。

☆  ☆

 次に目覚めた時は、うっすらと柔らかい光の差す部屋だった。
消毒薬の匂いが鼻について――病院なのかな? と思った。
闇くらい記憶がよみがえって、叫びそうになり、身体を震わせ、慌てて目を覚まそうとしたけれども、なかなか身体がいうことを利かない。
足も手も冷たく固まって動かなかった。
僕は焦って、身体を動かそうとして、ふと気づいた。
 柔らかい光。シーツに包まれて心地よかった。

 「――守? 気がついたの?」
世界で一番好きな人の声で名前を呼ばれた気がして、次の瞬間、僕は、温かくて懐かしい場所に抱かれていた。
「守――まもる…」
「かあさん……」掠れた声が出て、僕は涙が湧きあがってきた。
「かあさん――かぁさんっ!」
 「守――よく、無事だったわね。よく。……頑張ったのね」
頬にキスしてくれ、この数年なかったというくらいに――もう中学生だものね――ゆっくり抱きしめられて、僕は本当に帰ってきたんだな、と思った。
母さん。大事な母さん。
ねぇ――父さんは大丈夫だったのかな? 泣いてない?
 辛かった記憶がだんだん溶けていくような気がした。
手も足も――まだ痛かったけれども、痛み止めと、嫌な感じじゃない薬の痺れが感じられて、きっとすぐに治るだろう。
 爪――どうしよう。元に戻さないでそのままにしておくと、何か問題あるかな?
だって。言うじゃない? 傷は男の勲章だって――。
 そんな風に思って顔を上げて母さんを見ると、それはどんな景色よりも一番美しい眺めだった。
「――お父さんともあとで会えるわ……ネットでだけどね。仕事が終わり次第、こちらへ来るそうよ」
「ほんと?」
僕はきっと嬉しそうに笑っていたに違いない。――父さん、よかったね。
仕事、うまくいったんだ。僕は少しは役に立てたのかな?

 ふと、闇の中からあの声がよみがえった。
『――お前の目は、古代にそっくりだ』
『ユキはきれいだったな――ユキにそっくりだよ』
あの人は何者だったのだろう。
……若い頃の父と、母を知っている。しかも、恐らく相当に近しい人だったに違いない。
まさか、ヤマトの元乗組員なんだろうか? ――死んだ人を除いても、歴代を含めれば200人近い人が関わっていたのだ……もしかして、そうなのだろうか。
 古代守は、それを胸の奥深くにし仕舞い込み、長じて後まで、両親にすら言わなかった。
もしかしたら、その男の出自はグリュンバルトのリーダーの1人の情報として有用だったかもしれない。
だが、その男の様子を思い、これは自分が抱えていくものだと思ったのかもしれない。
子どもらしい、結論のつけかただったのかもしれなかった。
 キスされて――物凄く嫌だったけど。もしかしたら、あの人は。
母さんが好きだったんだろう――辛い任務の中で、喘ぎながら。それでも母さんのことを思いながらそれに耐えていたのかもしれない。
守がそう思い遣ることができるようになったのは、長じて後のことになるが。
戦艦にはいろいろな人が乗っている。
誰もが才能に恵まれ地位にあり、指揮官のわけではないのだ。

 「母さん?」
「なぁに?」とユキは花のように微笑む。
ううん、何でもないと息子は笑う。
「――もう一度、母さんの名前を呼べてよかったなって思うんだよ、僕」
そうね。
その通りね、と母は幸せそうに微笑んだ。
 さぁ、もう眠りなさい。まだ回復には少し時間がかかるわ?
看護師としての顔に戻り、森ユキは言う。
はい、と素直に頷いて、シーツを顔のところまで引き上げた。
目だけでユキを見る。
「貴方はお父さんにそっくりね――」また、いつものように母が言った。
「でもみんな、母さんに似てるっていうよ?」
その、深い、ハシバミ色の瞳を除いて。
――古代進の血を受けた、宇宙を写す瞳。
 古代守がそういわれるようになるまで、あと数年を待たなければならない。
静かな時間が、流れていた。

 守は、護ってくれる安心に包まれて、安らかな眠りへ入っていった。

Fin

・・・本編結末、および古河大地のファンのための
= Epilogue・1 =

・・・加藤四郎と佐々葉子ファンのための
= Epilogue・3 =
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