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bu2009-08 龍の棲む

龍の棲む08 【回天-開戦前夜】

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6 = 拉致

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
= 6 = 拉致

 時間は少し遡る。

 引き立てられた古代たち一行は、手足を拘束されたまま艦の奥深くへ連れられていった。
彼らが見聞きするのをさえぎるように周りを囲まれ、さすがにスキはない。

「おい、何をするんだっ」「古代さんっ」
突然、囲んでいた兵士たちが古代だけを引きずり、あとの面々を通りがかりの部屋へ蹴り込もうとしたところに、日向がかみついた。「――艦長を、どこへ連れて行くっ」
「日向」古代に叱咤されて動きを止めたが、それに対する相手方の答えは鉄拳制裁だったので、ひどいダメージを受けて日向は壁に張り付くことになった。
古代は「心配するな――大人しく、待っていてくれ」
部下たちを傷つけるな、と鋭く言ったあとそう言い、
「しかしっ」言い募る彼らに少し首を振っただけで「大丈夫だ」と言い連れられていく。
その声音は通常と何も変わらない平静さだった。

 カツン、カツンと自分の足音だけが響く。
囲む兵たちは一言も言葉を発せず、バイザーに顔から前身を覆われていて正体もはっきりしない。
訓練された兵なのか、そういう社会性を持った(例えば蟻や蜂のような)種族なのか。
率いてきた大柄な一人は地球人らしいと目測をつけていたが、こいつも全身を何らかのスーツで覆っていて様子もわからなかった。
 最初から話しているのはこの男(?)だけで、声は耳障りな中性的で金属的な声だった。
ヴォイスチェンジャーを使っているのかもしれず、それだけでは正体は判別できない。
最初に艦橋へ呼びかけてきたのは明らかに地球人だったが……。
 そう考えていたところへ、入れ、と後ろから銃で付かれ、足を踏みしめなければならなかった。
体を拘束されているのでバランスが取れにくく転びそうになったのだ。
 妙にぺかっとした部屋。突起のない無機質さ――だが広さはあり、そこに置かれている装置は案外に古典的なもので、目的は明らかだった。

                    ★
 ひゅぉん、と鋭いスピードでそれはしなり、体に直撃する。
「!」
ギリ、と唇をかみしめたが体が刎ねた。
――とはいえ両手を後ろの柱に拘束されているので稼動域がさほど広いわけではない。
つまり、避けることもできない。
 電子鞭? いまどきありがたいくらい古典的だ、と古代は頭の中で考えた。
 電子鞭は火箸のように皮膚に焼け焦げを作ることもできたが、服の上からその下に影響を与えるものとしてはなかなか効率の良い道具でもある。
直接肌に当てられるよりはマシだがな、と考える。
――歯を食いしばり、気を散らしていないとさすがの彼も耐えがたかった。
 拘束されている柱の方に仕掛けもある。ブースの中からの問いに否定の首を振ると、柱そのものに衝撃が走り、古代は苦痛に呻いた。

 『古代艦長――現在の陣容をお知らせいただくだけで良いのですけどね』
「……」
古代はこの部屋に入った時から一切、言葉を忘れたように口を閉ざし、声すら上げていない。
『――質問を変えましょう。貴方はなんの目的で此処へ来たのです』
さらに刺激が加えられ、次には下肢に痛みが走った。
 ぐっ、と喉の奥から声が出た。
はぁっと息の漏れる音がし、全身が痙攣するようにわななく。
反らせた顔に脂汗が浮いた。
『――痛いとか苦しいとか言っていただかないと限度がわかりませんがね』
相手の声には笑いが含まれてもいるようだ。
『もう少し上げてみろ』
 途端、限界を越えそうになったのか、呻き声が上がり古代は一瞬意識を失いそうになった。
『なるほど……ここらへんが限界、ということだな』
 ぐい、と電気的な力が加えられ、古代は目を開く。
はぁっはぁっと息をついている様子は、かなりのダメージなのだ。

 古代進も軍人ならそれなりの訓練も受けている。
だが、異星人と接したり戦うこと他者に比べるべくもないほどのキャリアと実戦経験を持つ彼は、収監されたことはあれ意外なことに拉致され拷問を受けた経験は一度も無かった。
――学生時代に営巣に放り込まれて体罰を喰らったのは別として、であるが。
 (――果たして、どこまで保つかな)
古代が呻きを堪えてそう思ったとしても、それは彼の弱気が発したものではない。

 尋問官が交代した。
意識が朦朧としてきた古代に対し、具体的な質問を加え、その心理攻撃に近い状態に置いていくつかの質問にでも答えさせる尋問法である。
人道的には問題があるとされているが、宇宙時代、この種の技術は非常に進歩しており、そのための専門職もある。特に地球人に対しては有効、とされている。
 苦痛と弛緩、刺激と光の明滅などにより古代の意識はコントロールされていく。
強烈な苦痛だけならなんとかなるとしても、無意識をどこまで自制できるかは試す機会もなかった古代である。
……彼は口を開いた。

= 6 = 後半 へ続く
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