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bu2009-08 龍の棲む

龍の棲む16 【回天-開戦前夜】

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14 = 潜行
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

= 14 =

 バラバラと走り回る音がし、あたりは喧騒で騒がしい。
壁際の積荷やなにかに身を潜めている隊員たちは、頭の上で何かわめく声を聞き、銃を持ったものたちが走り回るのを感じたが、辺りは(ありがたいことに)暗闇に包まれていて彼らはまだ発見されていなかった。
 こういう場合は匂いや気配に注意しなければならない。また、発進直後でエネルギー回路を内部に向けるのに限界があるからだろうが、艦が軌道に乗ったところで拉致されるのは避けたかった。動くなら今のうちなのである。
 皆がそれを察していたので、古代が僅かな所作をするだけで皆、そちらの気配を察していた。
時折明かりが床の上を舐める。
[××××っ?(いたか?)][×××××?(そっちだろう?)]
[×××××(見間違いじゃないのか)]
わめきながら右往左往するがその合間を縫って古代たちはこっそり通路らしき方向に近づいていく。
 (行くぞ……)
4人は通路に出ることに成功し、艦の中へ足を踏み入れたのである。
(――どうやらこいつらがあまり賢くないのは確かなようだな)

 問題は、どこへ向かうか、である。
 一挙に艦橋を占拠する方法はないのか? それにこの艦は本当に旗艦なのか?
これが考えどころであった。
 港から発進しようとしていたそれらしき艦はこれだけで、あとは駆逐艦や中型艦クラスであったから、中枢の者たちが乗っていると目処をつけたのである。
だが、すでに発進してしまっていたとしたらどうだろう? その場合は、艦橋を一挙に占拠し、艦そのものを使ってそいつらを仕留めるしかない。だがその場合は、“敵の正体を知る”ということはかなり難しくなる。
 どうするべきか――古代は考えあぐねたが、こちらに向けていた日向の顔を見て決心した。
(正面から、行こう。時間ばかりが過ぎ、可能性が低くなるだけだ)
これもまた、一種の“カン”だっただろうか。
 古代は一つの思い付きを実行しようと思い立った。
 部下たちに手で合図すると、通路を上にではなく、横に移動しはじめた。

             ★
 「艇長。古代司令は基地内に残られたようなのですが…」
下野が言いにくそうに守を見た。
脱出成功、の報が入ったあと、連絡が途絶えていた。
古河の報告によれば“敵”には2種類があり、地球原生種らしき“人間”と“亜人”。
此処の小惑星はその“亜人”の巣=住居を改造したものではないかという。
 古代司令たちはバラバラに捉えられていたが双方とも無事救出・脱出したが、“元の作戦の遂行のため”と古代司令はじめ一部が基地内に戻った――。
まずは救出隊の一部がイサスに帰った。あちらに残ったのは古河ほか数名とアクエリアス艦の一行なのか?
(まったくもう、あの親父は――)
古代守はめったに父親のことをそう(心の中でさえも)ののしることは無い。
たとえ親愛の情を示すような言い方でも、である。だがこの場合はののしりたくなった。
(僕が何のために来たと? ――父さん。ムチャにもほどがあるよ)
拳を握り締め、だが表情を変えないことには成功した。
横には同じように困惑を目にだけ微かに表したベテラン、下野が見ているのだ。

 「――艇長、古河さんから通信が!」
「つなげ」

= 後半 = へ続く↓

★  ★

 「――艇長、古河さんから通信が!」
「つなげ」

 古河からの二度目の連絡は、脱出成功を知らせるものだった。
だが、その“成功”は。
「なにぃっ!? 敵の戦艦に乗り込んだ、だとっ!!」
下野が裏返った声を上げたほど、艦橋は騒然とした。
古代守は何も言わず、表情も変えなかったが、
(そんなところだろう――)
その程度には父を理解(わか)っている。
 基地内に残った、ということは、当初の命題を解決するためなのだ。
敵の正体を知り、内戦を鎮圧し、戦いが銀河系外……地球勢力圏外へ飛び火することを防ぐ。
1人の人間――1艦隊に背負わせるには、あまりに重い使命だった。
 古河たちイサス部隊が援護し、進たちアクエリアス部隊が先行した。
特攻隊は4名、皆、頼りにはなるが若い部下たちだった。
守にとっては多少の先輩に当たるがほぼ同年代だ。
せめて古河が付いていてくれたら――そう思わないでもない。

 『古代艇長――守。……よく聞いてくれ』
一瞬の思いはその声で途切れた。
『――艦長は、怪我をしている。短期間で決着を付けないと、マズい』
「なにっ!」「本当ですかっ」――航(わたる)が操縦桿を握ったまま反応した。
 『航――アリオスが指揮を執れ。――われわれはガタイがデカすぎる。先行して追えるか』
「艇長――航海長。敵艦隊が集結しています……」
そのタイミングを計ったように、通信士がその姿を捉えた。
守はぐっと拳を握り締めた。
 「――アクエリアスへ連絡。眞南さんを呼んでくれ。補給艦2X3W――後方にいるな。接舷してエネルギーを供給。そののち、海峡封鎖を」
「了解!」「――艇長、アクエリアス、出ました」
 守は動けないでいるアクエリアスに自身の艦隊の補給エネルギーを送るよう指示すると、
「眞南さん――司令は私たちが助けます。包囲網を――お願いします」
『――守くんか。助かる……委細了解した。艦長たちを、頼む』
守は頷き、全艦隊へ声を発した。
「アリオスはこれから攻撃に移る。先鋒はアリオスとイサスの2艦――3番艦以下、アクエリアスの指示に従え」

 アリオス艦はゆっくりと、前方の岩塊の間を縫うように、その小惑星と、それを囲むように発進してきた艦隊へ向かっていった。

= 15 = へ続く
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