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KS&MY百題_新月版

KY100-75/旅行・1

 ←瑠璃の風-SpaceBattleshipYAMATOより →KY100-75/旅行2
 さて「古代進と森雪100題」へ戻ります。
 「Scond Love」も解決しなければならないのですが、そちらは飛鳥と聖樹の話より、この話につながる(ほぼ同時期に起こる)聖樹とグリュンヴァルトの話の方を書きたくて仕方ありません。…でももちろん、話の続きも完結させます(出来てるんですが、書く余力が無い)。

 それでは新しいお話です。これも、物凄く以前(2007年ごろ)には出来ていた話ですが、発表の機会を逸したままでいたものです。
 ともあれ、これは、【パラレルワールドA】に存在する、真田澪=古代・サーシャ・イスカンダルのお話のある時期のものです。
 澪は、デザリウムとの戦いに勝ち、ヤマトと共に地球へ生還しました。それと同時に、初めての惑星での生活に少しずつ慣れて行きます。イカルスで共に育った幼馴染(?)・加藤四郎、義父である真田志郎。恋していた相手・叔父の古代進とその婚約者・森雪。澪を守るために設定された環境である、真田の勤務先・科学技術省へ通う生活。。。澪の周辺は少しずつ変化し、彼女は急激に様々なことに出合います。
               ・・・
 このお話は、「おじさま」のすぐ後、古代の家を出て、真田の家に転がり込み、義父と娘として暮らしている時期のものです。

 なお、第1話ではあまり問題ありませんが、真田さん、あるいは澪ちゃんのファンの方は、もしかしたら不愉快な部分があるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。いずれにせよ、このワールドの真田さんは、別のお話でもわかるように、少々ダークです。本編(新月)ワールドよりも、人間味はあるかもしれませんけどね。

【KY100-No.75/旅行】
・・ 命の絆・地の星 ・・


= Prologue =
 サーシャ……澪。
俺は君に約束した。――あの宇宙の星の中で。
兄さん(おとうさん)が愛した花を、地球の、日本の“桜”を見に行こうね、と。
連れて行ってあげると。
 約束はいつか――果たされるのだろうか?

 澪。サーシャ……愛しい姪(むすめ)。


[1]
 はらはらと風が葉を揺らし、幹が風に靡いて不思議な音を立てた。
 見る者があれば、和装の襟に金の髪がなびいて、一種不思議な絵のように思えたかもしれなかった。
それは幻想絵である。
 少女は僅かに上を向いて髪が風にほつれるのを袖を押さえたと反対の手で押さえ、竹の幹が揺れるのを眺めていた。
その表情には何も浮かんでいない――静かな風の音ばかり。
 どうしても、ダメなのかしら……私は。私が居る場所は、此処なのかしら!?
 あのひとが好きだった――でも。それがだめなら、私は!?
 またざわざわと風が葉を揺らし、彼女に囁きかけた。
(( ほらほら。振り返っても仕方ないさ。ほらほら。いるだろ? いる、いるだろ? ))
(( そうそう。ざわざわ。ほらほら……その人だよ。さわさわ ))
(( ほらほら。はらはら、ざわざわ。そこ。あそこ。此処――僕ら、ここ。ざわざわ ))
 ふぅとため息を吐き、髪を押さえていた手を離すと、ざっとその金糸は広がり、舞い上がるように上へなびいた。

 そこへ。
「澪っ!! おぉい、澪ぉ」
という声が近づいてきて、彼女は少し眉を寄せるとだがホッとしたように肩を落とした。
ざくざくと土と落ち葉を踏みしだく体重の重い音がして、人の体温が近づいた気配がある。
危険、ではなかった。
――彼女にとって、最も安寧な存在といってもいい。……そう、待っていた。その男(ひと)を。

「澪っ。此処にいたのか――あんまり一人で遠くへ出歩くんじゃない」
大柄な体が包み込むように近づいて、がしっと肩に手を置く。
少女は少しいやいやをするように抗うと、
「……少し、考え事したかっただけなの。ごめんなさい、おとうさま」と言った。
「ならいいが……いくらもう温かいといっても夕方は冷える。湯冷めしてしまうぞ」
と言って、ほんのりとやわらかく微笑んだ。少し困ったような顔もしていたかもしれない。
彼女はこくりと頷くと、その腕の引き寄せるままに収まって、肩を抱かれるようにしてゆるやかな林の中の坂道を、母屋の方へ下っていった。


 真田、澪。推定年齢17歳――ただしこれは地球人年齢に換算して、の話だ。
彼女がこの世に生まれ出でてから約4年になろうとしてる。イスカンダル人と地球人とのハーフで、イスカンダル最後の女王であるスターシアから王家の血とそのDNAを色濃く受け継ぎ、また実父は地球最強の男の一人であった古代守という戦神、元宇宙空軍中佐の一人娘である。
 そうして今。その実父の親友であり地球最高の頭脳(…これは“の一人”ではなく、まさに地球最高の頭脳といわれている)である科学技術庁副長官にして防衛軍技官・技術中佐・真田志郎の義娘として、共に暮らしている。

 実の叔父である古代進も健勝で存命だった。
ただしこれは彼がまだ20代の独身の若者であることと、ちょっとしたトラブルがあってその家を出てきて少し経つ。
幼少の頃から内惑星で育ててくれた義父の許に身を寄せているのだ。義父は現在、両親共に失った澪=サーシャの、地球上での戸籍上の父でもあった。
 その真田志郎・澪親子は、少しの休暇を得て、東京メガロポリスも基地も離れて小旅行に来ている。
「――地球の自然を見せたい」
義父と叔父はそれぞれに澪にそう約束したが、それを果たそうとしているのだった。
真田自身が、澪が生還した三度目の地球の危機以来、まったく休んでいなかったこともある。
静かな別荘地の温泉があると聞いて、そこへやってきた。
 「花の季節じゃなかったのが残念だな――」
旅館の仲居が部屋へくつろぐ2人を前に日本茶を入れてくれるのに向けて真田はそう言った。
「へぇ、そうですな。桜が咲く頃になると、このあたりはもう、ほんまに美しぅて……まぁそれも戦前のことですけども」
「――そうだったな」
最初に地球を襲った戦い――ガミラス戦で地上のほとんどはその姿を変え、列島ごと残った日本はそれだけでも幸いだったといえたのだ。
「――それでも、此処の地域のもんは皆、なんやかや地下都市に持ち込みましてな。そういう専門の知識を持ったもんもおりましたし、記録もありましたんで。御蔭さんでここ2年ほどで元の……とはとてもいきませんが。昔の風情くらいは、戻ってくるようになりましたわ」
少し地元なまりのある仲居さんが上品な口調でその苦労を淡々と語ってくれた。
 「桜?」
澪が言葉をこぼした。
「へぇ」仲居さんはにっこりを笑うと、「××の桜、いぅたら吉野か嵐山か、いわれたくらいでしたからねぇ」
「吉野? 嵐山?」
ふっと真田は笑った。
「――このあたりにあった名山だよ。歴史が古くて……そうだな、イスカンダルとは比べ物にならないが、1000年くらいは続いたんじゃないかな」
仲居さんはこくりと頷き、
「お客さん、よくご存知ですねぇ。こちらのかたですか?」と言った。
「――いや。私は地球じゃないんだが……祖父が好きでね。子どもの頃、けっこう回ったんだ」
と言い、そんなことは初めて聞いた(にちがいない)澪も目を瞠った。
「お義父様?」真田は照れたように笑うと茶を啜り、
「では、ごゆっくり。――それにしてもお綺麗なお嬢様で、先が楽しみですわね」
と、なまじお世辞でもない口調で言われて、いえ、と答えるのも面映かった。
人のプライヴァシーに踏み込むのを善しとしない彼らの習慣で、普通なら不躾に思われる言葉も、自然に感じられ不愉快な感じはしなかった。
それもまたこの地域なのか旅館の特徴なのかもしれず、日本という民族が持ってきた特性だったのかもしれぬ、と真田は思う。
――澪はそんなことも新鮮なのか、最初はぼぉっとしていたのに、興味深そうにその会話と真田の顔を見比べていた。

 部屋に2人だけになると、澪は早速、質問攻撃だった。
「ねぇ、お義父さま。“桜”ってあれよね、イカルスで見せていただいた、桃色の花びらの、たくさん舞ってくるあれでしょ? 図鑑で調べたわ。この地域(国)ではたくさんあるんでしょう? 春が来るのが楽しみだわ」
――“季節”というものに関しても、澪はまだ知識でしか知らない。
イスカンダルで生まれ、その途端に母星を失った。
狭い、特殊な環境に調節されたイカルスで育ち、宇宙空間で戦って生きてきた。
そうして地球へ降り、そのGや大気にようやく慣れ、人並みの家庭の中で過ごせるようになったばかり。
 「ねぇねぇ、おとうさま!」
「ねぇ、おとうさま……」
次々と身を乗り出して聞いてきたり、部屋の中にあるパンフレットを指差しては答えを求める澪を見ていると、まだまだ子どもだと思えるのに。
――その生き生きと輝く目や動き回る姿はイカルスでそうしていた子どもだった彼女と何も代わりがないようにも思われる。
 愛しくて――愛しくてならなく、突如、心の底から沸き上がった衝動に、真田自身が戸惑うほどだった。
 なのに、な。
 実の叔父・古代進への真剣な恋に破れ――自分の家へ夜中に駆け込んできた。
エアーバイクに乗り、ほとんど身一つで。
「叔父様とは暮らせない……ススムを……愛しているの」
そう言って泣いた姿は、真田の知らなかった大人の女の匂いを秘めていた。
むしろ真田が戸惑うほどだった。――恋をして、一足飛びに大人になってしまうのか。
 日々、あるいは一定期間を置いて、急激に固体成長を繰り返す澪の姿そのものをイカルスで眺め続けてきた彼にしても、その、“精神の一足飛びの成長”は、驚きだったのだ。

([2]へ続く)
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